正受寺では例年8月17日20時より送り盆法要(ご先祖様が戻られる)を行っています。
お盆を締めくくる観音法要を本堂で読経し、境内ではムラの行事でもある盆踊りが行われます。
ちなみにお盆の迎えの盆踊りは8月12日夜に二塚公民館にて、正受寺の薬師如来とお地蔵さんをお祀りして行われます。
送り盆の観音法要では観音経や般若心経を唱和し、皆さんに御焼香していただきます。

お経が終わるころには境内で輪になって盆踊りが始まります。
「口説き」といわれる盆踊りの曲は4種類ほどあり、テンポも踊りも変化があります。
二塚ではCDなどの音源ではなく、ムラのベテラン口説き手さんの「なま口説き」で踊ります。
良く踊られる順に
①「よいとさっさのどっこいしょ♪」
②「ほんよこほんよこちょいとまかせ♪」
③「あよやらこらしょい♪」
④「スットントーン♪ スットントーン♪」
同じ行橋市内でも曲のテンポが違ったり、色々な違いがあるようです。
2012年前には佐賀市から盆踊りの研究をされている方が、HPをご覧になって御遠方よりお越しくださいました。
これまでムラの伝統として語り継がれている「口説き」に、他では珍しいものがあったようです。
この研究から口説きの分布調査が行われ、体系化されると非常に興味深いと思います。
また次の世代に二塚独特の「口説き」が引き継がれていければと願っています。
例年は地元である二塚の老若男女が50名くらい参加していただき、盛り上がります。
2015年より盆送り火を兼ねてお焚き上げ法要も行っています。
盆踊りの横で送り火の明かりが揺らめき、幻想的な雰囲気になります。
しかし、今年もコロナ禍…
例年通りにはいかず盆踊りは中止となり、17日に寺総代・村役員さんの御参詣のもと、観音経の読経のみ行いました。
また、あいにくの雨のため、盆送り火も延期としました。
翌18日が正受寺坐禅会だったため、坐禅後20時過ぎより参加者とともに盆送り火・お焚き上げをいたしました。

1年間で納められたお写経や塔婆・法要で用いた五色旗や疏袋、お持ちいただいた仏具や人形などをお清めし、お焚き上げしました。
持ち込みだけでなく、昨年は郵送での受付もございました。

盆送り火としてご先祖様を明るく照らしてくれたことかと思います。
仏具や人形などのお焚上げ御依頼や相談はお気軽に御連絡ください!

8月8日14時より施餓鬼(せがき)法要を厳修いたしました。
施餓鬼会とは迷える魂に食物と仏法の安らぎを施し、自他ともに悟りに到ろうという法要です。
全ての生き物・自然に感謝し、御先祖様や有縁無縁の魂に追善供養をします。
そのため法要中に檀信徒・御参詣の皆様の御先祖供養や享保飢饉の餓死者、塔婆(とうば)供養もいたしました。
また、皆様の健康祈願や豊作祈願、コロナ終息祈願もいたしました。

享保飢饉供養塔も拝塔し、読経いたしました。

有縁無縁の魂を祀る餓鬼壇
成仏できなかった餓鬼さんたちにたくさんの御供えをし、お経の功徳を届けます。
地獄の蓋を開けて餓鬼さんを呼び寄せ、不遇の死を遂げた霊魂の慰めも行います。
その餓鬼さんに届くように饅頭を撒き、御利益を分け合います!
また手作りの旗に豊作祈願や五穀豊穣、病気平癒などの印し祈願いたしました。
御参詣の皆さんは自宅に持ち帰り、1年間お祀りいただいています。
このように一人で貪ることなく、みんなで幸せを分かち合うことができればと思います。

寺総代・村役員・有志の皆様に法要当日の受付や事前の草刈りなど準備のお力添えいただき、御縁ある皆様の御参詣により御供養ができたことに感謝申し上げます。